はじめに
125ccスクーターの定番、ホンダ「LEAD125」とヤマハ「AXIS Z」。どちらも通勤・買い物・タンデムまでこなす実用派ですが、設計思想はかなり違います。本記事では、スペック・価格・走行のしやすさ・積載の観点から公平に比較し、あなたの用途に合う一台を選べるように整理しました。
LEAD125側は実走行レビュー【前編】、AXIS Z側は2022年モデル徹底解説レビュー(現行モデルもSMG・UBS・前後10インチ等の基本構成は継続)の計測・体感を反映しています。2026年モデルのカラー・価格は各メーカーの最新ニュースリリースも反映済みです。
2026年モデル最新情報(メーカー発表)
走行レビュー動画の計測値は2025年〜2022年モデル時点のものですが、2026年時点の販売情報は以下のとおりです。いずれもメカニカルな変更はなく、カラーバリエーションの入れ替えが中心です。
HONDA LEAD125(2026年1月29日発売)

- 新色:「キャンディーラスターレッド」「バニラホワイト」を新設定。
- 継続色:「ポセイドンブラックメタリック」。全3色展開。
- メーカー希望小売価格:352,000円(消費税10%込・本体320,000円)。2025年モデル比でさらに値上げ。
- 販売計画:国内年間8,900台。
- 主要装備は継続:37Lラゲッジボックス、Honda SMART Key、USB Type-C(5V・3A以下)、水冷eSP・116kg・WMTC 49.3km/L(定地60km/h・2名53.0km/L)。
YAMAHA AXIS Z(新色2026年3月31日発売)
- 新色:「ダークグレー」「マットブルー」「ホワイト」を3月31日より発売。
- 継続色:「ブラック」。全4色展開。
- 公表燃費(2026年1月現在):WMTCモード値51.9km/L(定地燃費値58.0km/L)。125cc原付二種スクーター最高クラスの低燃費を継続。
- 主要装備は継続:BLUE COREエンジン、約37.5Lシート下トランク(ジェット型ヘルメット2個収納可能※形状による)、SMG・UBS・前後10インチ・100kg。
※動画レビューで触れた2025年モデルのブレーキロック追加や2022年モデルのSMG/UBS化など、走行に影響する変更は2026年モデルでは行われていません。購入時はカラー・価格(LEAD125)を最新情報で確認してください。
LEAD125 実走行レビュー(動画より)


以下はYouTube動画(4度目の乗車・2025年モデル)で確認した実走行の要点です。AXIS Zとの比較判断に直結する部分を中心にまとめています。
2025年モデルの主な変更点(2026年モデルへ引き継ぎ)
- 価格:2025年モデルはグレーメタリック346,500円、その他341,000円(税10%込・リサイクル料込)で+16,500円値上げ。2026年モデルは352,000円(Honda発表)に再設定。
- ブレーキロック機能の追加:価格以外で1番の進化。前年モデル画像を確認すると未装備で、2025年から標準化。公式サイトでもあまりアピールされていない点が惜しい。
- シート下ライト・赤色キャリパー・フロントカウル変更:カタログ上はカウル変更が気になるが、実車では赤キャリパーの方が目立つ。カウル・3Dエンブレムより制動まわりの印象が強い。
最高速・速度計の誤差
- 馬力11PSのまま変更なし。体重によって最高速の感じ方は大きく異なる。
- 下り・直線では110km/h超も可能(道路・条件による)。ただし90km/h超の加速域ではトルク感は薄く、実用でトルクを感じやすいのはおおむね90km/hまで。
- GPSと速度計の誤差は6〜8km/h(平坦路で計測)。110km/h表示でも実際は100km/h台前半——ホンダスクーターの中では「ハッピーメーター」寄りの一台。
加速性能
- 低回転でクラッチが繋がるホンダらしい特性。キムコ・SYM・ヤマハ系(高回転寄りでクラッチ接続)と真逆で、渋滞・下り坂の減速制御がしやすい。
- 10km/h前後からクラッチ接続、その後はフラットで滑らか。トルクの谷が少なく加速感は穏やか——Dio110系をパワーアップしたイメージ。
- 高回転域はeSPエンジンらしく静か。タコメーター非装備のため回転数は体感頼み。
- 個人的な感想として、PCX125より100km/h到達が早い印象があった(計測条件・体調により異なる可能性あり)。
燃費(実測)
- 107km走行・信号ほぼなし・バイパス中心で1.77L消費 → 59.4km/L(理想に近い走り方)。
- GPS誤差(表示108km→実際100km、約8〜9%)を補正するとおおむね54km/L。
- カタログ値(60km/h定地・2名で53.0km/L)との差は約1km/L程度で、公表燃費との整合性は高い。従来乗り換え前は40km/L台前半だったため、今回はリッター50超えで大きく改善。
ハンドリング・AXIS Zとの体感差
- LEAD125はフロント12インチ(90/90-12)・リア10インチ(100/90-10)の前後差構成。直進安定性・積載量(約37L)を取った結果、足回りに独自の個性が出る。
- AXIS Zは前後10インチ統一。街中の機動性・コーナーでの体勢変更はAXIS Zの方が軽快で、左右の体重移動にも素直に追従しやすい。
- LEAD125は11PSを活かすためフロント12インチで安定性を確保。高速・直進では安心感がある一方、バンク時は「リア10インチの機敏さ」と「フロント12インチの安定志向」の間にわずかなチグハグ感を感じる場合がある(個人の体感)。
- 街乗りだけを見ると、前後10インチのAXIS Zの方が起動性・扱いやすさを活かしやすい。LEAD125を同構成にすると積載容量が38Lから落ちるため、現実的には12/10インチのまま販売継続と推測される。
制動力
- フロント1ポット油圧ディスク+リアドラム。2025年は赤色キャリパーが視覚的に目立つ。
- 制動力自体は前年モデルと大きな変化なし。コンビブレーキ(CBS)+リアドラムのため、フルブレーキ時は10インチリア側の不安感が残る——40km/h超の急制動テストでも大きな横滑りはなかったが、雨天・タイヤ(チェンシン)状態には注意。
- ABS・トラクションコントロール非装備。PCX125と価格帯が近いため、装備差で選ぶユーザーには不利に感じる可能性あり。
AXIS Z 実走行レビュー(動画より)


以下はYouTube動画(2022年モデル・京都市街+大津走行)で確認した実走行の要点です。2026年モデルもSMG・UBS・前後10インチ・フラットフロアという骨格は共通で、2026年3月31日からはダークグレー・マットブルー・ホワイトの新色が追加されます。
マイナーチェンジで変わった点(2022年〜現行の系統)
- 排ガス規制対応:エアフィルター形状変更、全幅730mm→685mmにスリム化。見た目もコンパクトに。
- SMG(スマートモータージェネレーター):セル始動が「キュルキュル」せず静か。エンジンかかっているかライトで確認するレベル。
- UBS(連動ブレーキ):左レバー(前輪)操作で後輪ブレーキも連動。制動の安心感が向上。
- ヘッドランプ光量アップ・大型リフレクター:ハロゲンながらロー/ハイビームとも明るさ改善。ポジションランプ付き。
- 出力アップ:8.2PS/6,500rpm → 8.3PS/7,000rpm、トルクも+0.1kgf·m。排ガス対応しつつパワーは微増。
- 燃費(公表):前モデル実測54.6km/L → 現行WMTC 51.9km/L(排ガス対応の影響)。
デザイン・装備の印象
- 国内125ccで唯一の前後10インチ:市街地の取り回しに特化。京都市街・大津で「非常に走りやすい」との評価。
- フラットフロア:足元に荷物を置きやすい。コンビニ袋など日常使い向き。
- メットイン約37.5L:24Lバッグは余裕で収納。フルフェイスヘルメットは形状次第で不可の高さ。
- シート長660mm:2人乗りしやすいロングシート。タンデムステップはプッシュ式。
- USB充電(5V):スマホ充電可能。フック(1kg)・グローブボックス(5kg)も実用的。
- キーレス非装備:シャッター式メカニカルキー。左回しでシート、右回しでスターター。
- 足回り:小径ディスクだが制動レスポンスは良好(猫ズル感が少ない)。バイパス走行でも安定。
走行・足つき・タンデム
- 100kg・前後10インチ:コーナー・Uターン・駐輪がラク。LEAD125の前12/後10構成より街中は素直。
- シート高770mm:LEAD125より10mm高いが、軽量ボディで取り回しは容易。
- 体格的な注意点:身長・腕の長いライダーは、ハンドル〜フレーム間がやや詰まって感じる場合あり(アドレス110系に近い距離感)。
- 坂道・加速:125ccとしては上りの伸びに驚き。110cc各社車と比較しても遜色ない加速(動画内評価)。
- サスペンション:左側のみのリアショック(台湾仕様由来)。硬すぎず柔らかすぎず、タンデム時もスムーズに走れた。
- 排気音:始動〜低中速は非常に静か。60km/h前後からエンジン音がやや目立つ。
燃費(実測)
- 京都市街+大津・信号・市街地中心で約90km走行・1.8L消費 → おおむね50km/L(動画計測)。
- 前モデル実測54.6km/Lからやや低下する走り方だが、125cc市街地としては良好。公表WMTC 51.9km/Lとも大きく乖離しない。
LEAD125との比較で押さえる点
- タイヤ:AXIS Zは前後10インチ統一で街乗り・コーナーが軽快。LEAD125は前12/後10で直進・高速域は安定寄り。
- 重量:100kg vs 116kg——AXIS Zは16kg軽く、スタンド・駐輪の差が大きい。
- 価格:AXIS Zは292,600円〜(2026年1月時点)。LEAD125(352,000円)より約6万円前後安い。
- 装備:LEAD125はSMART Key・水冷・ブレーキロック。AXIS ZはUBS・SMG・USBでシンプル実用。
結論
積載・最新装備・高速域の安定・実測燃費(理想走行で50km/L超)を重視するなら LEAD125、軽さ・前後10インチの素直なハンドリング・フラットフロア・価格を重視するなら AXIS Zが向いています。
LEAD125は実走行では速度計とGPSに6〜8km/hの差があり、街中より直線・下りの長距離走行で真価が出やすいタイプ。AXIS Zは100kg・前後10インチでコーナーや駐輪がラク。迷ったら、普段の走る道路(信号多い街中か、バイパス多いか)とメットインにヘルメットが入るかで選ぶのが確実です。
スペック比較
| 項目 | HONDA LEAD125 | YAMAHA AXIS Z |
|---|---|---|
| エンジン | 水冷4スト OHC4バルブ | 空冷4スト SOHC2バルブ |
| 最高出力 | 8.3kW(11PS)/8,750rpm | 8.3kW(8.3PS)/7,000rpm |
| 最大トルク | 12N·m(1.2kgf·m)/5,250rpm | 9.8N·m(1.0kgf·m)/5,000rpm |
| 車両重量 | 116kg | 100kg |
| シート高 | 760mm | 770mm |
| 全長×全幅×全高 | 1,845×700×1,130mm | 1,790×685×1,145mm |
| 燃料タンク | 6.0L | 5.5L |
| 燃費(WMTC・1名) | 49.3km/L | 51.9km/L |
| 燃費(定地60km/h・2名) | 53.0km/L | 58.0km/L |
| タイヤ(前/後) | 90/90-12 / 100/90-10 | 100/90-10 / 100/90-10 |
| ブレーキ(前/後) | ディスク / ドラム | ディスク / ドラム |
| メーカー希望小売価格 | 352,000円(税10%込・2026年1月29日〜) | 292,600円(税10%込・リサイクル料込) |
| カラーバリエーション(2026) | 全3色(キャンディーラスターレッド・バニラホワイト・ポセイドンブラックメタリック) | 全4色(ダークグレー・マットブルー・ホワイト・ブラック) |
出典:Honda LEAD125 2026年ニュース、Yamaha AXIS Z 2026年ニュース、各メーカー公式サイト
LEAD125の良い点
- 37Lクラスの大容量メットイン:B4サイズバッグやヘルメット収納に余裕。買い物・通勤の荷物が多い人向き。
- 水冷eSP・低回転クラッチ:渋滞や下り坂で減速しやすく、ホンダらしい扱いやすさ。2名乗車時のトルクにも余裕。
- 実測燃費の良さ:理想条件でリッター50km/L超(動画計測)。公表WMTC値49.3km/Lとも整合。
- ブレーキロック・SMART Key・USB Type-C:2025年追加のブレーキロック含め、日常装備が充実。
- フロント12インチ:11PSを活かした直進安定性。バイパス・下りで110km/h域も可能(条件による)。
- シート高760mm:AXIS Zより10mm低く、足つきを重視するライダーには有利。
LEAD125で知っておきたい点
- 速度計はGPSより6〜8km/h多めに表示される傾向(ハッピーメーター寄り)。
- 前12in・後10inのタイヤ構成のため、AXIS Zよりコーナーでの体勢変更はやや重い印象になる場合がある。
- コンビブレーキ+リアドラムのため、フルブレーキ時は制動に慣れが必要。ABS非装備。
- 2025年モデルは+16,500円値上げ、2026年モデルは352,000円(さらに値上げ)。PCX125と価格帯が近い。
AXIS Zの良い点
- 車両重量100kg:125ccクラスでもトップクラスの軽さ。駐輪・Uターンに有利(動画:京都市街で非常に走りやすい)。
- 前後10インチ統一:国内125ccで唯一の10インチ継続モデル。コーナー・体勢変更が軽快。
- フラットフロア:足元に荷物を置きやすく、乗降もラク。
- SMG+静かな始動:セル始動が静かで、早朝・深夜の通勤にも配慮。
- UBS(連動ブレーキ):前レバーで後輪も効く。小径ディスクながらレスポンス良好。
- 約37.5Lメットイン:24Lバッグ級の荷物は余裕。日常買い物向き。
- 坂道の加速:125ccとして上りの伸びが良い(動画内評価)。
- 価格292,600円〜:LEAD125より約5万円前後安い。
AXIS Zで知っておきたい点
- ハロゲンヘッドライト(LEDではない)。光量はマイナーチェンジで改善済み。
- キーレス非装備。メカニカルキー+シャッター式。
- シート高770mm:LEAD125より10mm高い。身長・腕長によってはハンドル周りが詰まって感じる場合あり。
- フルフェイスヘルメット:メットイン高さの都合で入らない場合あり(形状・サイズによる)。
- 排ガス対応で公表燃費は51.9km/L(前モデル実測54.6km/Lから低下)。
- リアショックは左側のみ(台湾仕様由来)。メンテはしやすいが、構成は独特。
差が小さい点・どちらでも良い点
- 最高出力はいずれも8.3kW(11PS/8.3PS表記)で、市街地〜郊外の実用域では大差は出にくい。
- 軸距1,275mmで共通。直進安定性のベースは近い。
- 乗車定員2名、前後ドラム/ディスクの基本ブレーキ構成も同系統。
- どちらも125cc原付二種(要:原付二種免許)。新基準原付(30km/h制限)とは別カテゴリ。
走行・実用の違い
足つき・乗降
LEAD125はシート高760mm、AXIS Zは770mm。数値差は10mmですが、AXIS Zはフラットフロアのため足元の自由度が高く、小柄なライダーほど「軽い・足が置きやすい」と感じやすい傾向があります。逆に、足長のライダーはLEAD125の低シート高の方が地面に近く感じる場合もあります。
加速・振動
LEAD125は低回転クラッチで渋滞向き(動画)。AXIS ZはSMGで始動が静か、125ccとして坂道の伸びが良い(動画)。街中の機動性はAXIS Z、直進・下りの安定はLEAD125が有利な場面が多い。
積載・タンデム
メットインはどちらも約37L前後。AXIS Zは24Lバッグが入る一方、フルフェイスは高さ次第で不可。LEAD125は給油位置・シート厚の影響も。AXIS Zはシート長660mm・タンデムステップ付きで2人乗りしやすい設計(動画評価)。
燃費(実測比較)
LEAD125はバイパス中心でGPS補正後約54km/L(理想走行)。AXIS Zは京都市街+大津で約50km/L(信号・市街地多め)。公表WMTCはAXIS Z 51.9km/L、LEAD125 49.3km/L——実走行では走り方次第で逆転もあり得る。
価格・維持費
| 項目 | LEAD125 | AXIS Z |
|---|---|---|
| 車両価格(参考・2026) | 352,000円 | 292,600円〜 |
| 燃費(WMTC) | 49.3km/L | 51.9km/L |
| 燃料タンク | 6.0L | 5.5L |
| 重量 | 116kg | 100kg |
初期費用はAXIS Zが約6万円前後安い一方、LEAD125は装備・水冷・燃費以外の付加価値(スマートキー・USB Type-C等)が高い。2026年LEAD125はカラー刷新のみで352,000円、AXIS Zは2026年3月31日から新色3色追加(価格据え置き想定)。自動車保険・税金は125cc共通のため、差は主に車両代・燃費・タイヤサイズ(交換コスト)に出ます。LEAD125は前後タイヤサイズが異なるため、交換時の在庫・価格を店頭で確認しておくと安心です。
こんな人にはLEAD125 / こんな人にはAXIS Z
LEAD125が向いている人
- バイパス・下りを含む走行が多く、直進安定性・実測燃費を重視
- ブレーキロック・SMART Key・USB充電など最新装備を標準で欲しい
- 渋滞の多い通勤で、低回転クラッチの扱いやすさを活かしたい
- 37Lメットインと6Lタンクで荷物・航続を確保したい
AXIS Zが向いている人
- 100kg・前後10インチで街中のコーナー・駐輪をラクにしたい
- フラットフロアで足元の自由度を最優先
- 購入予算を抑えたい(約29万円台)
- 公表燃費51.9km/L・UBSでランニングと制動のバランスを取りたい
まとめ
LEAD125とAXIS Zは、どちらも「通勤に強い125cc」ですが、LEAD125は装備・トルク・タンク容量、AXIS Zは軽さ・燃費・価格・フラットフロアが武器です。酷評する必要はなく、用途で選び分けるのが正解です。
購入前チェックリスト
- 普段使いのヘルメットがメットインに入るか
- 自分の身長で足つき・フラットフロアの使い勝手
- 2名乗車・リアボックス装着時の給油のしやすさ
- 店頭の総額(諸費用込み)と下取り条件
- 近くの販売店・整備網(メーカー差は地域により異なる)
LEAD125は装備・バイパス燃費・直進安定性、AXIS Zは100kg・前後10インチ・街中の走りやすさ・価格が武器。詳細は各車のLEAD125動画・AXIS Z動画もあわせてご確認ください。
