【結論】アドベンチャーならX-FORCE。快適ならPCX
最近では軽二輪界隈のSUVと揶揄されるX-FORCEだが、まさにその通りでアドベンチャー思考の強いバイクならX-FORCE、快適性を取るなら王道の「PCX」という構造になった。
実際に乗った私は身長182cm、また下80cm前後なのでそのライダーの特性も踏まえて記事を書いていく。同じような体型の方がいればなお参考になると思う。
- エンジン
- 静かなことがいいことなのか
- フィーリングの違い
- アイドリングストップは
- 高速道路での走行と最高速度
- 巡航距離と巡航時の疲れ具合
- ブレーキ性能
- ラゲッジスペーズ&収納
- 外観と価格
エンジン
結論としては「静」のPCXと「動」のX-FORCEといったところ。最新のPCXはACGスターター式を採用。もちろんX-FORCEもSMG機能を搭載しているので静か。だが、それ以上に加速していくとYAMAHAとHONDAでのバイクに対する美学の違いが見えていく。
静かなことはいいことなのか
X-FORCE:可変バルブ機構のVVAを搭載。構造があれだ。これだ。というよりもとにかく音とメーターの変化が楽しめる。
PCX160:VVA機構は搭載なし。アイドリングストップを搭載しており、使用したら停車時は全くの無音。
アイドリングストップはPCXにのみ搭載している。正直使うな。使うなとよくレンタル時に言われるので不要な気がしているのであまり触れないで置くが、音一つとっても各社でこだわりが違う。
確かに高回転域でVVAになって劇的な速度変化が楽しめるのか?と言われるとそうではないと思った。だが、本当に静かなバイクだけがいいバイクなのだろうか?うるさくて、乗ってて楽しいバイクも好きという声も間違いなくあるだろう。
フォーリングの違い
ここでいう「フィーリング」とはバイク乗車時に加速していくときの感じ方を比較してみる。
X-FORCE:PCXと比べると微振動が気になる。さらにアクセルを捻るとどの速度域からでもPCXと違い波のあるような加速に感じた。80km/h-90km/hまでの加速はスムーズな印象。
PCX160:とにかく「振動しない」「安定している」「なめらかな加速」が印象的なPCX。「等加速度運動をしているようなバイク」といつも思ってる。なめらかすぎる。アラがない。
振動を感じたり、音が変化したり、波のあるトルク感に比べてPCX160は本当になめらか。レビュー中いつも眠たくなる。と連呼している「PCX」シリーズだが快適至上主義的なPCXはこれ以上進化するとバイクの上で寝るかもしれない。
アイドリングストップは
PCXにのみついている。だが、バッテリーが弱まるとかなんとかでいつも使用を推奨されない。レンタルで推奨されないのだからオーナーとなったらどうなんだろう。X-FORCEにはついていない機能だが、使わないのなら同じ気もする。
高速道路での走行と最高速度
X-FORCE:90km/hからの加速がとにかく途端に遅くなった。頑張っても110km/hが限界。
PCX160:メーター読みでは110-115km/hくらい出たが、下り坂でのみ確認。高速道路で制限速度110km/hの区間では右側車線で走るのは一苦労。
最高速度はともに110km/h程度。馬力もほぼ同じなので頷けるが、PCX160のほうがやや馬力が上な分、最高速度もややPCXのほうが上。
巡航距離と巡航時の疲れ具合
X-FORCE:6.1Lのタンク容量。ツーリングに大阪で行って帰ると燃費は43-44km/L前後だった。単純計算で200kmは走行できそう。
PCX160:8.1Lのタンク容量。46−48km/Lだったりメーターでは50km/Lオーバーだったりした。45km/Lでも300kmは余裕で完走できる。
タンク容量と航続距離だが、PCXのほうがやはり軍配が上がる。より快適に給油回数の手間が省けたりと一貫したバイクの作り込み。
X-FORCE:はっきり言って疲れる。この一言にすべてが詰まっているような気がする。微振動、乗車体勢、ハンドルとの距離感、足つき、ブレーキレバーの握り、足回りの硬さ。
PCX160:疲れない。眠い。
PCX160はどんな購入層にもおすすめできる。これからの一台でも乗り換えでも、衝撃の吸収具合一つとってもすごい差があるのだが、長距離ツーリングを良くする場合はPCX160が購入の視野に入ってくる。足置きのスペースが広いので、PCX姿勢と言われるきれいな乗車姿勢を維持したり、足のポジション移動が前後で変更が可能で、本当疲れない。
一方X-FORCEは、足回りはカチッとしていたり、ブレーキレバーでコントロールできる範囲が広かったり、高身長の人はハンドルとの距離が異常に近いことを体感するはず。(台湾YAMAHA:シグナスグリファスも同じく)足つきも厳しく、X-FORCE LOWモデルが今年2023年に発売されたくらいだ。その分、ライダーによって操作できる部分が多かったり、ライダー次第によるバイク。SUVバイクと言われるだけあって「遊びゴコロ満載」
ブレーキ性能
X-FORCE:ブレーキレバーでのコントーロール範囲が広い。コントロールしやすい反面、ライダーの腕によって左右される。前後独立ABSも搭載。
PCX160:HONDA特有のレスポンスの良い、ブレーキングができる。誰でも扱いやすい、特に女性や非力な方にもおすすめできる。
個人的な話なのだが、母親がYAMAHAのシグナスXに乗っている、ブレーキするとき指を曲げるのが最近痛くなってきた。とぼやいていた。それを聞いてやはり、ブレーキングは少量の力でできたほうが良いとも思いつつ、コントロールの幅が広いほうが面白いなぁ。とも個人的には思ったり。
ABS前後独立式なのでX-FORCEにも安心感がありつつも、どちらもTCS(トラクションコントロール)搭載。
ラゲッジスペーズ&収納
X-FORCE:23.2Lと少ない。正直「110ccかよ!っ」とツッコミを入れたくなるような容量。
PCX160:30Lの容量を誇る。X-FORCEほど深さはないものの、ガサツの性格をしている自分には向いている適当にポイポイ入れ込めるスタイル。
さらにはLID、グローブボックスなるものを見ると
X-FORCE:むき出しの収納。スマホを入れておいたが、落ちる気はしない。だが、飲み物やグローブなどを入れるほうが適しているような気も。USB充電はUSBtoTypeCなどで可能。
PCX160:プッシュ開閉式でPCX125と同じ。USB-C充電なのでTypeCtoTypeC,Lightningなどで充電する。X-FORCEよりも収納スペースに余分がないのでペットボトルを入れると何も入らない。
外観と価格
X-FORCE:39万6000円 LOWモデルは40万7000円
PCX160:40万7000円。今月発表されたX-FORCE LOWに完全に意識されている価格設定。
他きになるところは、ライトだろう。フロントライトは「ハロゲンのX-FORCEとLEDのPCX」
さらにロービーム点灯時はX-FORCEは片眼しか点灯しない。これも好き嫌いが分かれるとYoutubeのコメントで賛否のあったところ。
メーターもよく見るとPCXはシンメトリー、LEDヘッドライトもシンメトリーと左右対称に対して、X-FORCEは左右非対称だったり、片側だけ点灯させたりここも美学の違いが顕著に出た。
コメント