はじめに
125ccの「下駄スクーター」枠で人気が分かれる2台、スズキ「アドレス125(2026)」とヤマハ「FAZZIO125」。どちらも空冷・街乗り向きですが、価格帯もキャラクターもかなり違います。本記事では、スペック・価格・走行のしやすさ・積載の観点から公平に比較し、用途に合う一台を選べるように整理しました。
アドレス側はYouTube実走行レビュー(160km走行後の徹底解説/乗ってすぐの感想)、FAZZIO側は実走行後レビューの計測・体感を反映しています。価格・公表燃費・主要諸元は各メーカーの最新発表も反映済みです。
2026年モデル最新情報(メーカー発表)
SUZUKI アドレス125(2025年9月10日発売・2026年モデル)
出典:スズキ ニュースリリース(2025.09.02)/製品ページ
- メーカー希望小売価格:280,500円(消費税10%込)
- 主な変更:灯火デザイン刷新、フューエルリッド付きタンク(シートを開けずに給油)、タンク容量5.0L→5.3L、シート下収納21.8L→24.4L、リヤキャリア標準装備、新設計フレーム、始動の静粛化、低中速トルク向上(カム変更)
- 公表燃費:WMTC 53.4km/L(クラス1・1名)
- 販売計画:国内年間5,000台
YAMAHA FAZZIO125(2026年4月24日発売)
出典:ヤマハ発動機 ニュースリリース(2026.03.09)/製品ページ
- メーカー希望小売価格:368,500円(消費税10%込・本体335,000円)
- 主な特徴:レトロポップなファッション寄りデザイン、車両重量97kg、発進時のパワーアシスト(国内モデル初)、Stop & Start、SMG、スマートキー、Y-Connect対応
- 公表燃費:WMTC 56.4km/L(クラス1・1名)
- カラー:リーフグリーン/ライトブルー/パステルイエロー/ブラック など
価格差は約8.8万円。アドレスはコスパ実用、FAZZIOは軽さ・デザイン・アシスト付きの走りを取りにいく一台、という位置づけです。
結論
コスパ・積載・給油のしやすさ・通勤の実利を取るならアドレス125、デザイン優先・97kgの軽さ・街中〜60km/h前後のキビキビ感を取るなら FAZZIO125が向いています。
アドレスは28万円台でメットイン約24L・フューエルリッド・リヤキャリアと「下駄」としての完成度が高い一方、前12/後10インチ構成のため高速域やバンクでは慎重さが必要(動画でも80km/h超で不安定感・リアまわりの不安に言及)。FAZZIOは前後12インチで乗り味に個性があり、30〜60km/hが特に楽しい一方、価格に対して空冷・積載が小さめな点は割り切りが必要です。
スペック比較

| 項目 | SUZUKI アドレス125 | YAMAHA FAZZIO125 |
|---|---|---|
| エンジン | 空冷4スト SOHC 2バルブ 単気筒 | 空冷4スト SOHC 2バルブ 単気筒(BLUE CORE) |
| 排気量 | 124cc | 124cc |
| 最高出力 | 6.2kW(8.4PS)/6,500rpm | 6.1kW(8.3PS)/6,750rpm前後 |
| 最大トルク | 10N·m(1.0kgf·m)/5,000rpm | 9.8N·m(1.0kgf·m)/5,000rpm |
| 車両重量 | 108kg | 97kg |
| シート高 | 770mm | 765mm |
| 全長×全幅×全高 | 1,880×690×1,155mm | 1,820×685×1,125mm |
| 軸距 | 1,260mm | 1,280mm |
| 燃料タンク | 5.3L(フューエルリッド) | 5.1L |
| 燃費(WMTC・1名) | 53.4km/L | 56.4km/L |
| タイヤ(前/後) | 90/90-12 / 90/100-10 | 110/70-12 / 110/70-12(チューブレス) |
| ブレーキ(前/後) | ディスク / ドラム(コンバインド系) | ディスク / ドラム(コンビ) |
| シート下収納 | 約24.4L | コンパクト(動画体感は110cc級・ジェット〜ハーフ向き) |
| メーカー希望小売価格 | 280,500円(税10%込) | 368,500円(税10%込) |
出典:スズキ発表(2025.09.02)、ヤマハ発表(2026.03.09)、各公式サイト。出力回転数など細部はカタログ表記の差あり。
アドレス125 実走行レビュー(動画より)
補足(乗ってすぐの感想):アドレス125 新型 乗ってすぐの感想まとめ
2026年モデルで押さえる点
- 低中速のトルク感が先代より向上(カム変更)。街乗り〜中速の伸びを意識したセッティング。
- 給油がフューエルリッド式になり、シート開閉なしで給油できる実用性が大きい。
- メットイン約24L。書類・小物は十分。フルフェイスは形状次第(動画で確認)。
- リヤキャリア標準は買い物・ツーリング荷物に効く。
最高速・メーター誤差・高速域
- バイパスではメーター80km/h表示でもGPSは70km/h台など、最大でおおむね5〜8km/h程度の差が出る場面あり(動画計測)。
- 80km/h超は加速感が薄く、横風時などは不安定感。平坦でもメーター90km/h超は厳しく、実質の巡航の快適域はそれより低め、という印象。
- 街乗り重視のキャラクターで、高速メインの運用は割り切りが必要。
加速・乗り味
- 中回転からの伸びを感じやすい。低回転の鋭さは先代の方が強かった印象もあるが、2026は中速域の実用トルクが主題。
- アドレスらしい「スロットルを開けてからグッと来る」スクーター感は健在。
燃費(実測)
- 160kmレビューでは走行後の残量からおおむねリッター50前後(「50行くか行かないか」)と評価。燃費自体は良好。
- 初印象動画は冬場・大津走行で、計測条件によりカタログより落ちやすい点にも言及。
制動・ハンドリング
- フロントは油圧ディスクだがディスク径は小ぶり。フルブレーキ時に制動距離の長さを感じた場面あり(動画)。
- 前12/後10インチ+リアドラムの組み合わせは、バンクを稼ぐコーナリングでは横滑り感・不安が出やすい、との率直な感想。
- 総じて「街乗り・実用」に振った足まわり。
FAZZIO125 実走行レビュー(動画より)
価格とコンセプト
- 空冷で36万円台は強気。購入判断の鍵は「デザイン最優先か」「走りの楽しさで価格差を飲めるか」。
- パワーアシストは発進直後(体感で最初の数秒)をサポート。全体の軽量さもあいまって加速感はしっかり。
加速・巡航
- 30〜60km/hが特に面白い。発進もっさり感は少なく、低〜中回転重視。
- 60→80km/hはそれまでの勢いに比べると伸びは穏やか。80km/h超は厳しめで、最高速はメーター表示でおおむね90km/h前後のイメージ(動画体感)。
- 登りでも50km/h台からトルクを感じやすい場面あり。中回転に出力を寄せた味付け。
足つき・足まわり・振動
- サスペンションは柔らかめで沈み込みが大きい。またいだ瞬間のシート高印象と、またがった後の沈みで印象が変わる。
- 足つきは「めちゃくちゃ広い」わけではないが、幅・沈み込みの関係で気にする人は要チェック。
- アイドリング時の振動は体に来やすい(ヤマハ空冷らしい感触)。走り出せば気になりにくい。
積載・装備の割り切り
- シート下はコンパクト。フルフェイスは厳しく、ジェット/ハーフ想定に近い(動画)。下駄としての荷物量はアドレスに劣る。
- ブレーキロック非装備。センタースタンドは車体が軽いため扱いやすい。
- コンビブレーキ付き。タッチの立ち上がりは穏やか寄り。
燃費(実測)
- 約58.4km走行・1.2L消費で約48km/L(動画)。公表WMTC 56.4km/Lとの差やGPS誤差にも言及あり。
- カタログ燃費はアドレスより良い数字だが、実測は走り方次第で接近・逆転もあり得る。
どんな人向けか(動画結論の要約)
- デザイン・おしゃれ最優先で、価格の高さは許容できる人。
- キビキビした街乗りを楽しみたい人。長距離・大積載が主目的なら他車も検討。
アドレス125の良い点
- 価格280,500円:同クラスでコスパが突出。
- メットイン約24.4L+リヤキャリア:通勤・買い物の荷物に強い。
- フューエルリッド:給油のストレスが少ない。
- 低中速トルク向上で街乗りの実用性がアップ。
- 実測でも燃費は良好帯(動画でリッター50前後)。
アドレス125で知っておきたい点
- 前12/後10インチ。高速域・深いバンクは慎重に。
- メーターとGPSの差が出やすい場面あり。
- フロントディスクは小ぶりで、急制動の感覚は慣れが必要。
- ファッション性・「映え」ではFAZZIOに譲る場面が多い。
FAZZIO125の良い点
- 97kgの軽さ。押し歩き・駐輪・取り回しが楽。
- 前後12インチ+柔らかめサスで街中の乗り味に個性。
- パワーアシスト/SMG/Stop & Startなど、走りと静粛・燃費まわりの装備が充実。
- 30〜60km/hの楽しさ、レトロポップなデザイン。
- 公表WMTC 56.4km/Lと高燃費数字。
FAZZIO125で知っておきたい点
- 価格がアドレスより約9万円高い(空冷同士の比較では特に差が目立つ)。
- 積載は小さめ。ヘルメット収納は形状制限あり。
- 高速巡航・長距離は得意分野ではない。
- アイドリング振動、ブレーキロック非装備など細部の好みは分かれる。
差が小さい点・どちらでも良い点
- 排気量124cc・空冷2バルブ単気筒で、出力帯は近い(8.3〜8.4PS級)。
- どちらも原付二種(新基準原付の出力制限車ではない)。AT小型限定普通二輪以上が必要。
- 街中〜郊外の日常速度域では「どっちも普通に走れる」。
- 税金・自賠責のベースは125cc同士で同系統。
走行・実用の違い
足つき・乗降・取り回し
シート高はアドレス770mm/FAZZIO765mmと僅差。ただしFAZZIOは沈み込みが大きく、またぎ直後と着座後で印象が変わりやすい。車両重量はFAZZIOが11kg軽く、押し歩き・センタースタンドは有利。
加速・巡航
FAZZIOは発進〜60km/hのキビキビ感とアシストが武器。アドレスは中速の実用トルクとコスパ重視のセッティング。どちらも80km/h超の快適巡航は得意ではないが、不安の出方(アドレスはリア10インチ、FAZZIOは出力の頭打ち)が異なる。
積載・給油
日常の荷物量ならアドレスが明確に有利(24L級+キャリア+フューエルリッド)。FAZZIOは最小限の荷物・デザイン優先の割り切り。
燃費(実測イメージ)
アドレス:動画で約50km/L前後。FAZZIO:動画で約48km/L。カタログはFAZZIOが上だが、実測は条件次第で並ぶ。
価格・維持費

| 項目 | アドレス125 | FAZZIO125 |
|---|---|---|
| 車両価格(参考・税込) | 280,500円 | 368,500円 |
| 差額 | — | 約+88,000円 |
| 燃費(WMTC) | 53.4km/L | 56.4km/L |
| タンク | 5.3L | 5.1L |
| 重量 | 108kg | 97kg |
初期費用はアドレスが大幅に安い。FAZZIOは装備・デザイン・軽さで差額を正当化できるかが焦点。任意保険・重量税まわりは125cc同士で大差は出にくく、差は主に車両代・タイヤサイズ(交換コスト)・積載による使い方に出ます。
こんな人にはアドレス125 / こんな人には FAZZIO125
アドレス125が向いている人
- 予算を抑えつつ原付二種の実用スクーターが欲しい
- メットイン・キャリア・給油のしやすさを重視
- 通勤・買い物が主で、高速はたまにバイパス程度
- 「見た目よりコスパと使い勝手」派
FAZZIO125が向いている人
- デザイン・世界観を最優先できる
- 97kgの軽さ、街中のキビキビ感を楽しみたい
- パワーアシストやスマートキーなど装備の新しさを求める
- 積載は最小限でよい(大荷物はリアボックス等で別途対策)
まとめ
アドレス125とFAZZIO125は、同じ「空冷125の下駄」でも目指す場所が違います。アドレスは価格・積載・給油・日常実用、FAZZIOはデザイン・軽さ・街乗りの楽しさが武器です。酷評する必要はなく、用途と予算で選び分けるのが正解です。
購入前チェックリスト
- 普段のヘルメットがシート下に入るか
- 店頭の総額(諸費用込み)と値引き・在庫色
- 通勤ルートにバイパス・高速がどれだけ含まれるか
- 2名乗車・リアボックス装着時の使い方
- 試乗で足つき・アイドリング振動・サスの沈みを確認

