YAMAHA NMAX125 2025年モデルのレビューまとめ

ヤマハ・NMAX 国内仕様 エヌマックス

今までのNMAX1台目、2代目に引き続いて登場した今回のNMAX125 2025年モデル。3代目のNMAXになるが、今まではPCXに追いつこうとしていた感じがした。

特に動画にもすでにまとめている通りだが、PCXの進化はこの台で鈍化し、NMAXは別方向に舵を切ってきたようにカタログ発表から感じられたが乗ってみてどうだったのか…

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NMAX155との比較、PCXとの比較も行うので是非見ていただきたい。

燃費

平均燃費44.375km/L

今回の走行は広島です。1日目~3日目で福山市、広島市~安芸高田市、尾道~今治しまなみ海道と夏休みツーリングを行った。

このNMAXは2日目にレンタルし、広島市~安芸高田市を走行するルート。広島市を抜けるとすぐ山道で白バイが多いよ。と教えてもらったので特にぶっ飛ばすこともなかった。

60km/Lで巡行することが多かったので、燃費は良くなったのかもしれないが142kmを3.2Lで走ってくれた。計算すると44.375km/Lだ。

NMAX155は同じく広島市で走らせたが、高速を爆走しモード切替、疑似的シフトダウンを多用したので34km/Lに着地。これぞ原付二種…燃費が良かった。10km/LもNMAX155と比べて開いたので結果としてはいい方向に転んだ。

動力性能

VVA発動タイミング

さて、加速。最高速の解説に入る前にVVAの発動タイミングを抑えたい。

というのも、60km/h巡行は下り道以外では常にVVAを発動させる。低回転だと燃費重視、高回転だとパワー重視になってしまうが、60km/hでのんびり走行しようにもずっとVVAが発動してしまうのである。

50-55km/hあたりでVVAが発動する。NMAX155と違いタコメーターがないので厳密な回転数は不明だが、おおよそ6000回転あたりだろう。

加速と体感について

まずは60km/hまでのタイムを出してみた。

そして、GPSとの誤差だが5-6kmの誤差だった。思ったより開きがない。YAMAHAの車体は結構開くイメージがあるがNMAX2025年モデルはそこまで誤差がなさそうだ。

初代NMAXと比べるとまず音がどんどんこもっているように感じた。気のせいかもしれないが、排ガス規制でEuro5+に対応するにあたって排気系も変更したからだと思う。

YAMAHAのスクーターだと、シグナスもそうだがこの「ぶおーーーん」という加速する音がとにかく良いのだが、シグナスグリファスに比るとこちらの方がやはり加速は穏やか。

VVAのおかげで低回転から高回転まで特にここが加速感が物足りないと思わせることなく、どの回転域でも伸びてくれる。

平地最高速

80km/hくらいまではスロットルを捻るとグッとトルクを感じる加速をしてくれる。

70km/hあたりから車線合流のための加速も125ccクラスでは数少ない加速感を体感できる車体だ。

90km/h以降になると加速感は鈍化しメーター読みでも1km/hずつしかすすまない。回転数を上げることでしかここら辺に来ると速度は上昇していかないが、PCXは95,6km/hで平地最高速をマークした。

PCX160に関しては105,106km/hが最高速度となっていた。NMAXに関しても105km/hを確認。NMAXはいまだこの3世代になってもリミッターがないのかPCX160と同じ速度が出てしまった。

原付二種だとこの回転域が..となったり、駆動系をいじりたくなるものだがNMAXに関してもうこれで良いと思った。マジェスティsを乗って乗車に来たが、このYAMAHAのスクーターはスロットルを捻り一呼吸おいてから「ぶおーーーん」と加速。

NMAXは素直にすぐに加速していく、低回転のモタツキがなく、中回転での伸び、高回転でのVVAを体感できるので純正で乗り回せる。

運動性能

NMAXは速度がでる車体がゆえに、運動性能や安定性が非常に気になる車体だと思う。

フレームはアンダーボーンでこの形状のフレームはPCXもそうだが、安定感が強い。だが、下駄スクーターと比べると重心が低いように感じるのがNMAXである。

ハンドルの切れ

ハンドルも想定しているよりもう少し曲がる。最小回転半径自体はPCXよりも長い2.0mと記載があるが、車体の安定感、フレームの剛性、しなり具合のおかげで転回時にコロンとこけそうな感じがしない。

着座姿勢

バーグマンストリート125EXの足を延ばしきれるプレミアスクーターが2025年モデルで登場した。

NMAXは足置きを何も改造していないはずだが、身長182cmの私が乗ると足を全開に延ばせるまさに旧ビクスク的な乗り方ができた。

というのも前回モデルで特に改善してほしかった点、シートが大幅に刷新。もちもちシートからPCXのような硬め肉厚シートに変更された。これのおかげでロングツーリングでの疲労感低減はもちろんだが、腰当の位置ギリギリまでお尻を持ってくると足を伸びしきれる。

バーグマンストリート125EXだけの特権的な部分だがったが、シートの改善でこれができるようになった。

足置きの斜めの部分の長さが長いことに加えて、足を延ばしきれるのだが身長185cm以降は延ばしきれないかもしれないが、PCXよりは足の延ばし具合、足置きの場所、お尻の場所をツーリング中は移動させることで疲労をごまかしやすい。

NMAXは1台目だと足が延ばしきれた。2代目は延ばせず、3代目でまた伸ばせるようになった。

足つき性

シートは一番前までお尻を持ってくるとベタ足、腰当のギリギリまでお尻を持ってくると案外幅広シートなので開脚度合が大きくなり脚が開き、つま先立ちをすることになった。

また、足を置いたときに感じるのはYAMAHAのシグナス系フレームの場合、まぁ他のスクーターも多いがフルフラットフロアボードと言いつつ斜めになっている。完全に平らではなく、傾いてるものも多いがPCXやNMAXなどは地面と平行なので足首が疲れずらいと個人的には感じている。

足つきは良いのだが、このセンタートンネルのせいでフラットフロアボード採用車体と違いとにかく足をこすりまくる。

操縦性

後輪と前輪で違う方向に行きたがっているようなバタつきもなく、腰の重心移動だけでスラスラと動かすことができた。やはりPCXと違い前に13インチタイヤを採用しているので、直進安定性と操作性を狙っておらず、どちらも13インチだ。

個人的には12/10とかよりも12/12、10/10と前後タイヤ同じインチ数の方が好みだ。というのも後ろと前で走っている感覚がちぐはぐに感じるからだ。

NMAXは前後13インチで操作性、走破性、扱い易さともに良かった。ここは好みが分かれるところかもしれないが、さらにふらつきたくない場合はPCXの14インチの方が乗り心地が良いように感じるかもしれない。

ただ、山走行でも思ったが前だけタイヤのサイズが違うとバンクさせてもフロント側だけ立ってきたりするのでやはりNMAXは前後13インチで良いと思った。スポーティー仕様なのか路線なのか、PCXと違い差別化できているよう感じた。

乗り心地

まずは、サスペンションのせいなのかそれともシートのせいなのか改善点が多かったのでとにかくどの点が乗り心地の向上に貢献しているのか把握しずらかった。

とにかくシートが一番前のモデルでは気に食わなかったので、それが変わっただけでも個人的には万々歳なのだが、リアショックアブソーバーの長さ変更に加えて、フロントフォークはオイルロック機構を追加。

フロントフォーク

まずは、このオイルロック機構のおかげかわからないが一度も底付しなかった。だが、フロントフォーク自体はそこまで沈み込むような感覚がない。

フロントフォークだけでいうとストローク量がそこまであるように感じない。

リアショックアブソーバー

とにかく接地感がある。イメージでとらえると、小さい段差は跳ねない。「ぼよん」「ぽよっ」とか跳ねない。だが速度が出た状態で大きい凸凹を通過すると「ガタン」と衝撃が来る。

これはそもそもスクーターのユニットスイング式を採用しているので、大きい凸凹があった場合は「がターン」と跳ねるのがどの車体でも起きるがNMAXでもそれが起きた。

PCXと比べると非常に分かりやすく、PCXは小さい凸凹も大きい凸凹も「ぼよっ」と跳ねる。設置艦でいうときれいな道だとNMAXの方が、直進安定性、路面との接地感は得やすい。だが、大きい凸凹はPCXの方が体に衝撃が伝わりずらい。

舗装されきった広島市内の綺麗な道だとNMAXはとにかく走りやすいが、凸凹ばっかりの道だとPCXの方が走りやすい。

制動力

今回NMAXのABSを初めて作動させることができた。

作動させれたのは、後輪で後輪にABSが作動するときは左ブレーキレバーに小刻みな振動が起きてレバーが断続的に戻される。その後、メーターあたりからチャージ音「うぃーーーーん」といった音が聞こえた。

ブレーキレバー

ブレーキレバーのタッチ感はややPCXの方が上手か、ほぼ一緒くらいだ。どちらも握ってみてブヨブヨしないので握りやすい。

ブレーキ

前後どちらも油圧式シングルディスクブレーキで1POTだが、純正タイヤのダンロップタイヤと併せてフルブレーキしても横に流れることがなかった。

タイヤのグリップ力、純粋な制動力、ABS前後搭載となっていて原付二種のなかでは安心感は抜群。

また、足置きの斜めの部分に靴が異様に大きい私の29cmの靴を置くこともできるので、踏ん張りがききやすい。どうしてもフルフラットフロアボードだと急制動だと足裏が滑り出してしまう。

後席

タンデムはしていないが、グラブバーの位置、長さ、太さは試しに握ってみてもタンデムはしやすそうだ。だが、いつも思うがなんだこの安っぽいピリオンステップ。

振動防止のゴムもなく、細ーいピリオンステップでホームセンターで買ってきて付けたみたいだ。PCXとは大きな違いでどうにかならないんだろうか。

収納力

インナーポケット2つ

今回増えた部分でいうとインナーポケットが2つになった。開閉式の右側と左側のTypeC充電ありペットボトル入れだ。

右側はPixel9proXLサイズが余裕で入った。6.8インチスマホが入る。

右側はペットボトル+α小さいものなら入るサイズ感。ADVのようなペットボトルだけギリギリちょうど入るよって言うサイズ感ではない。

シート下積載

肩掛けバッグがちょうど入るのだが、SHOEIZ-8XLサイズのヘルメットは全く入らない。そもそもフルフェイスは厳しくて、ジェットヘルメットとか、半ヘルとかなら入るのだろう。

積載量は他の原付二種と比べても小さいので、弱点とはなるかもしれない。25L以下のシート下積載量は小さく感じる。という独自の分析だが、これは若干すくないかな。だが、深さを出して小ささを感じさせないが、小さい。

ボタン類

ボタンはMENUボタンが追加された位だ。NMAX155と違いボタンが大量追加されていないので扱い易い。

MENUボタンを連打すると、電圧、ベルト交換タイミング、TRIP/ABなど情報を切り替えられる。

メーター

YAMAHAのメーターはやっぱり見にくい。どうにかならないんだろうか。HONDAと比べてもやはり見ずらいし、SUZUKIのモノクロデジタルメーターと今回は比べても良いモノクロデジタルメーターを搭載したNMAXだ。

NMAX155も見づらいが、NMAX125も見ずらい、とにかくハンドルカバーが反射する。夜間は見やすい。ただ、NMAX155よりは情報力が少なく、視点移動が少ないためか見やすいとは感じた。

だが、とにかく反射するのでメーターはやっぱり変更して欲しい。

ミラー

デザイン重視のミラー。立体的に認識できる範囲に限りがある。PCXの方が実用的だ。

原付二種の中でもミラーは小さく、内側に向けると自分の体が写ってしまう範囲が広い。クルクル回転させやすいのでベストポジションを探せば何とかなりそう。

灯火類

デザインも大幅に前と変わった。LEDヘッドライトだが、プロジェクターライトも追加され125ccとは思えない迫力になっている。

方向指示器もLEDになっているし、テールランプも個人的にはかなりカッコイイ。LEDで視認性が良好というよりは、視認されやすい車体になっていて安全性も高そうだ。

ハザード

ハザードはキーをOFFにしても点灯し続けるので、配達などでは活用しやすい。

総合評価

これで価格が1万円位しか変わらなかったのはNMAX125 2025年モデルはシンプルにスゴイ。原付二種をかなりレビューしてきたが、その中でもTOPクラスに良い車体だと思う。

MAXシリーズは海外で警察車両としても採用されているが、さすがだなぁと思わされた。

 

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