HONDA ウェイブ Wave125i とは
今回乗車してきたのはYoutubeでも燃費お化けとして紹介されるスクーター版のスーパーカブ、ウェイブ125iだ。
スクーターといっても変速方法はスーパーカブと一緒なので、メーター的にもエアブレイドの外装にスーパーカブをくっ付けたのがウェイブ125iって印象を受けた。
このウェイブはキャストホイールモデルになっているが、スクーターとして取り上げるのか?それともマニュアルトランスミッション車体として取り扱うのか微妙だが、正解はカブとして取り扱うことかもしれない…
そして、この車体はとにかく尖っている。HONDAとは思えない尖り方だ。何かを得るために何かを捨てるようなこのウェイブ125iが結構好み。
動力性能
変速方法
まずは、タイ語でしか解説されていないのでサクッと解説すると、最初に書いた通りスーパーカブと全く同じだ。
あのシーソーペダルである。これは人によっては好き嫌い分かれるところだ。つま先で踏んでシフトアップ、つま先ですくい上げるか踵で踏んでシフトダウン。そして、停車時のみ4速からNに切り替えられる。全く同じである。
ギア
まず、4段変速しかできない。そしてタイ語でびっしりと書かれた取扱説明書を見る限りエンジンはC125と同じボアストローク比になっている。
変速するとすぐに感じるが、とにかくそれぞれのギアの守備範囲が広い。1速で40-50km/hまで、2速で60-70km/h,3速では70km-80km/h,4速はそれ以降まで速度を出せてしまう。
メーターは160km/hまで表示できるがそこまでは伸びないのは明らかだろう。おまけだ。
とにかく1速でここまで加速できることにびっくしりた。一番乗ったスーパーカブだとスーパーカブ110だが4速、3速で走る速度域でも1速で走れてしまう。
加速感があるのは3速までで4速に入ると3速までの勢いはなくなってしまうが、回転数を上げるとじわじわ速度が伸びていく。
GPS誤差
GPS誤差は4km/hしかなかった。全然誤差がないので、びっくしりたが..
ここまで速度がでるのでHONDAだがハッピーメーターかと疑ってしまった。
最高速度
1速で0~40km/hまで、2速で20km/h~,3速では30km/h~,4速40km/h~が快適に走れるそれぞれの推奨速度域だと思った。特に4速は夢かもしれないが103km/h位出た。(ようなきがする)
メーター読みなので実質99km/h位なのかもしれないが、これは直線が長ければまだまだ伸びるだろう。排ガス規制もまったく気にしてないようなモデルなので、速速がぐんぐんでるので楽しい。
加速
一応だが60km/hまでの加速を計測してみた。1速,2速だけで60km/hまで楽々到達するので検証も楽だった。
燃費
これから足回りの部分になるとこのウェイブ125iをひどくこき下ろすことになるのだが、それは全てこの燃費を得るため..
しまなみ海道を今回走ったのでほぼ渋滞はなし。できるだけこのウェイブでスゴイ記録を叩き出してやろうと思って走ってみた。
175kmを2.1Lで走ってくれたので80.95km/Lになる。この車体をスクーターと含めるならこれは最強だろう…スクーターでなかったとしてもこの燃費は異常ともいえる数値。メーカーによると70km/L位走るようなので、それでもスゴイ。
タンク容量は5.4Lなので400km以上この快適なツーリングロードだと走れることになる。燃費を狙ったバイクでHONDAに勝つのは難しすぎるゲームだ。
運動性能
車両重量は101kgで非常に軽い。C125よりも軽く仕上がっている。さらにユニットスイング式ではないので、旋回させやすい。
ハンドルも軽く、重心がやや低いのだがこのバイクはとにかくバンクさせると怖い。というか、凸凹がコーナーにあるとひとたまりもなくハンドルがよろよろとしてしまう。それは、このウェイブが生まれた環境もあると思うのだが
タイでは2人乗りどころか、3人、4人乗りをしている画像を見たこともあると思う。東南アジアあるあるかもしれないが…それのせいなのか、まず65㎏の私が乗ったくらいでは全く沈み込まない。走っててもガチガチの足回りである。
着座姿勢
シートはカブとは違って普通のスクーターのシート。厚さ自体はDIO110を彷彿とさせるぺらさ。そして横にガタガタと動く、ちょっとチープな感じも一緒。
だが、違うのがこのシートの表皮は滑り止めがかなり効いており、当日はいていたズボンだと皮膚にこすれて痛かった。タンデム大前提。荷物載せるの大前提なのだろうか、日本の下駄スクーターとは比較するとかなりグリップが効いている。
乗り心地
座る位置を変えることができるので、疲労はごまかしがカブよりも効くのでその点良かったが、もう乗り心地はHONDAの中で今まででダントツ最悪であった。
というのも1人乗りなんて想定していなので、フロントフォークの底付は5回以上、リアショックアブソーバーもユニットスイング式じゃないくせに、ガンガン衝撃が来る。
とにかくストロークしない。まったくもって荷重が足りていない。3人乗りはしたいところ。それに加えて、このタイヤだ。
タイヤ
タイヤ(前) | 70/90-17 |
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タイヤ(後) | 80/90-17 |
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タイヤ自体のサイズはC125と全く同じになっている。初めて聞いたメーカーだったVEE Rubberというメーカーのタイヤだった。調べるとタイで販売されているタイヤだった。
このフロントタイヤがとにかくビックリ。路面のちょっとした凸凹からの衝撃を全て体に伝えてくれる。最初は何の衝撃だ?と思ったが、何回か衝撃がくるとわかったが、明らかにタイヤだろう。
ハンドルがこのタイヤのせいで衝撃が手に伝わってくる。これは他のメーカーの物に取り替えた方がいいだろう。さらにコーナーで寝かせたくないのはこのリアタイヤのおかげ。
車体はとにかく腰の重心移動でヒラヒラ旋回できる軽快さを持っているが、そんな軽快に曲がろうとするとブレーキをかけると横滑りする。怖いのでとにかく速度は出さなかった。
制動力
ブレーキレバーの剛性は可もなく不可もなく。という感じでフロントは油圧式ディスクブレーキ、リアはドラムブレーキ。
カブ系はギアを自分で調整しながらさらにリアがドラムブレーキで、制動力の立ち上がりがきつくないのでしまなみ海道では減速はしやすく、速度コントロールは余裕だった。
まぁタイヤを滑らせたくないので、速度を直線以外で出さないようにしたのが良かったのかもしれない。
フルブレーキをするとタイヤは横に若干滑る。触った感じコンビブレーキも、ABSステッカーもないのでとにかく日本で売る仕様ではないので、制動力部分は国内HONDAと比べると今一つな気もする。
足着き性
足つき性は良かったが、特に身長182cmのレビューだとあまり参考にはならないかもしれない。
見ての通りだが、余裕で足が折れ曲がる。
シート高の数値は分からなかったが、体感としてスーパーカブとほぼ変わらない。
シート高:740mm位だと思われる。
後席
ピリオンステップは非常に短かった。ペットボトルの横幅と同じくらいだ。
実際2人乗りに特化しているだけあって、肝心のピリオンステップはゴムが付いている。振動対策だろう。
だが、それ以上に改善するとすれば、グラブバーの短さだろう。短いのでどうやって持つのだろうか?3人乗りだからこれくらいの短さで良いのかもしれない。
とにかくこのグラブバーの短さは日本では見ない。もうちょっと長くないと、常時手を後ろにしないとグラブバーを握れないので持ちずらい。
私の感覚だと、シート後ろ部分に座ってもイナバウアーするくらいでないと、つかめない。
収納力
インナーポケット
これはちょうど500mlのペットボトルが入るようになっている。
シート下積載
極端に言うとおにぎり見たいな形をしている。△だ。シート下積載で三角形は初めて見た気がしたが、無理くり付けた感じが否めない。
積載量は、スクーターと普通に競うとかなり厳しいので、これだとスーパーカブでいいのでは?と思ってしまうところはある。適当にホームセンターで買ってきた箱をスーパーカブに付けた方が積載量は上だ。
フルフェイスはもちろん入らない。だが、肩掛けバッグはきれいに入ったので前日に乗ったNMAX125と同じくらいよって容量として20-25L当たりのシート下積載だ。
国内スクーターだと下位レベルかもしれないが、雨合羽、手袋、簡易工具など適当に小物は入れて置ける。
ボタン類
HIGH/LOWビーム切り替え、方向指示器、ホーン、セルスタートボタンだけである。超シンプルだ。
鍵
見慣れない鍵の使い方だったのメモ程度に書いておく。と思ったが結構大事かもしれない。
見慣れない開閉方式だったのは、鍵を押し込んでシート下をあける方法。
これが結構押し込まないとシートが開いてくれない。今は夏なので手がかじかむこともない、グローブも薄いので構わない。真冬だとこれは面倒。ボタンプッシュ式の方がやっぱり楽だなぁ。
タイだとそんな真冬にグローブつけて走ることもないので、この設計でも良いのだろう。
灯火類
ポジションランプは、一昔を思い出させるようなぼんやりしたハロゲンランプがついている。
それに加えて、方向指示器もバルブだ。
その割にテールランプはやたらスポーティー仕様でカッコイイし、ヘッドライトはLEDだ。しかも照射方法が変わっていて、リフレクターに上からライトを当てて反射させている。
夜走れなかったのは残念だが、光軸と光量、照射範囲が気になる車体だ。ただ、ヘッドライト自体はハンドルを曲げると付いてくるのである程度光量があればコーナーで次の道がどっちか分からないことは少なそう。
それにしても、この車体だとカーブでそもそも速度だしませんがねぇ。
メーターパネル
これもエアブレイドみたいでカッコ良かった。デジタルメーター部分はODDだけで、時計や切り替えボタンがあるわけではない。
方向指示器もなぜか左右で分離されており、カッコ良い。そしてウインカーリレーもアナログでカチカチ音が鳴ってくれるが、フルフェイスをしてると聞こえない。そこまで爆音ではない。
ただ、ギアポジションがデジタルで表示されておりこれは分かりやすい。ギアポジションはとくにこのシーソペダル採用モデルだと4速→Nをよく使うので有難い。
ミラー
かなり小さい。丸っぽい形のミラーだが、そもそもミラーの面積が小さい。
計ってみると12cmだった。
推測ですが、やはりタイというお国柄みあってかすり抜けれないバイクはバイクでないと思うので、この細さになったのかなぁ?
キックスタート
この車体はカブと同じでキックスタートもついている。このキックスタートが本当軽かった。ちょっと体重を乗せるだけで一発始動。
総合評価
まずいい点としては
- 125ccのエンジン
- 燃費
このエンジン、ギアも含めて動力性能かなり高い。だが、このエンジンを活かしきれる車体、特にタイヤではなかった。まぁ1人乗りだからというのもあるだろう。1人乗りだとこれはカスタムに気合が入りそうな車体で、玄人向けかもしれない。
そして燃費も超良いので、セカンドバイクやサードバイク?ちょこっとカスタムでいじってカブ系エンジンだけど他の人と被りたくない人にはもってこいかもしれない。
ただ、悪い所はカスタム大前提と考えて
- タイヤ
- 足回り
このあたりは変更できる部分はとにかく変更したいと思った。とにかく燃費特化で見た目通り安定感もないし、しょぼい。とにかく燃費と2人乗り以上に特化した車体なので日本で販売されないのだろう。
タイで独自進化をどんどん現地環境に合わせて作ったバイクで、どの点も非常に新鮮であった。日本のライダーにとっては受け入れがたいというか、「これHONDAか??」となりそうだ。
まぁこういったじゃじゃ馬バイクみたいなのがバイクに、はまるきっかけだったりするのだが、安全面に気を付けてそうなHONDAさんだと日本の販売がないのが乗車で納得できました。
余談
コレ….前カゴつけれそうだな…HONDAの車体で前カゴがいまだにつけられる車体があるとは思ってませんでしたが、やはり独自真価って感じの新しいスクーターです。
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